はじめに───

レオパードゲッコーに興味を持ち始めると、まず気になるのはその色や模様の多彩さではないでしょうか───。
同じレオパでも、黄色が濃いものや雪のように白いもの、また、模様がなかったり逆に斑点がはっきりしていたりと、まるで別の生き物のような姿を見せてくれます。
これらは「モルフ」と呼ばれる遺伝的な体色のバリエーションで、繁殖によって生まれた特別な個性です。

今回の記事では、初心者さんにもわかりやすいようにモルフの基本と遺伝のしくみを解説しながら、特に人気の高い10種類をご紹介します。
ぜひ、モルフ選びの参考にしてください。。
モルフとは?レオパの魅力を広げる遺伝子

レオパードゲッコーは本来、野生下(ワイルド個体)では黄色い体に黒い斑点模様をもっていました。
しかし、飼育下で繁殖が盛んになるにつれ、様々な色や模様をもつ個体が生まれ、それらは「モルフ(Morph)」と呼ばれるようになりました。
モルフは単なるカラーバリエーションではなく、遺伝子の組み合わせによって生まれるれっきとした“血統”なのです。
例えば、白っぽい「スーパーマックスノー」や、オレンジ色が鮮やかな「タンジェリン」、模様がほとんどない「ブリザード」など… それぞれ見た目が大きく異なります。
こうしたモルフの登場により、レオパは単なるペットとしてだけでなく、コレクション性の高い生き物として世界中の愛好家を魅了していったのです───。
知っておきたいモルフの遺伝の基本

モルフを理解するには、遺伝のルールを少しだけ知っておくと役立ちます。
モルフの特徴は親から子へと遺伝しますが、その伝わり方には「優性」「劣性」「共優性」といった仕組みがあります。
超簡単に解説すると…
- 優性(ドミナント)遺伝:片方の親が持っているだけで子にも表れやすい特徴。たとえばエニグマなど。
- 劣性(リセッシブ)遺伝:両親ともにその遺伝子を持っていないと発現しない特徴。アルビノ系が代表例です。
- 共優性(コドミナント)遺伝:1つでも表れるが、両方揃うとより強く特徴が出るタイプ。スーパーマックスノーなどがこれにあたります。
初心者におすすめのモルフベスト10

ここでは、2025年現在、人気が高く比較的入手しやすいモルフを10種紹介します。
ハイイエロー(High Yellow)

レオパードゲッコーの中でももっとも基本的で人気のあるモルフです。野生種に近い体色をもち、鮮やかな黄色い体に黒い斑点がはっきりと映えるのが特徴です。特別な遺伝子変異ではなく、自然な色合いを強調した品種なので、丈夫で飼いやすく初心者にもおすすめ。価格も手頃で成長とともに色味が濃くなる個体も多く、シンプルながらもレオパらしい魅力をしっかり楽しめる定番モルフです。
スーパーマックスノー(Super Mack Snow)

白と黒のコントラストが美しい人気モルフ。白地に細かい斑点は入り、雪の上のヒョウ柄のような見た目になります。「マックスノー」の遺伝子を両親から受け継いだ共優性モルフで、シックでクールな見た目が魅力です。繁殖用のモルフとしても人気があり、初心者からコレクターまで幅広く愛されています。
ハイポタンジェリン(Hypo Tangerine)

明るいオレンジ色が特徴的な定番の人気モルフ。「ハイポ(Hypo)」は黒い斑点が少ないことを意味し、体の模様が減ることでオレンジの発色がより鮮やかに見えます。比較的ショップでも手に入りやすい美しいモルフです。
ブリザード(Blizzard)

ブリザードは、模様がほとんどなく、全身が白〜淡いグレーで統一されたシンプルかつ神秘的なモルフです。すっきりとした無地の体色が特徴で、個体によっては青みやピンクがかることもあります。アルビノ系との組み合わせでさらに柔らかい色合いになる個体も人気です。落ち着いた雰囲気を好む人におすすめのモルフです。
アルビノ系(Tremper・Bell・Rainwater)

アルビノ系モルフは、黒い色素が抑えられているため体色が淡く、優しい印象を持ちます。代表的な系統はトレンパー(Tremper)、ベル(Bell)、レインウォーター(Rainwater)の3種で、それぞれ目の色や発色の傾向が少しずつ異なります。たとえばトレンパーは赤みのある瞳、ベルは明るい茶系、レインウォーターは淡い黄色が特徴です。見た目は美しいですが紫外線にやや敏感なため、照明には注意が必要です。
ホワイト&イエロー(White & Yellow / W&Y)

黄色が明るく際立ち、白いラインや淡い模様が入ることが多い美しいモルフです。遺伝的には優性で、親のどちらかがW&Yを持っていれば子にも現れやすい特徴があります。明るくコントラストのある体色は成長とともにさらに魅力が増し、コレクターにも人気です。
レーダー(Radar)

アルビノ系の一種で「ベルアルビノ」と「エクリプス」の遺伝子を併せ持つモルフです。最大の特徴は、瞳がルビーのように赤く発色する点で、光を受けると輝く赤い目がとても美しく人気があります。体色は淡いクリーム〜オレンジ系で、やさしい雰囲気を持ちながらも独特の存在感があります。目が光に敏感なため飼育の際は強い照明を避ける必要があります。
タンジェリンベルアルビノ(Tangerine Bell Albino)

鮮やかなオレンジ色の「タンジェリン」と、優しい発色の「ベルアルビノ」を組み合わせたモルフです。明るいオレンジ〜クリーム色の体色で、アルビノ系特有の黒色素が抑えられているため、模様が淡く、全体が明るく華やかな見た目になります。
エクリプス(Eclipse)

エクリプスは、目の特徴が出るモルフで、虹彩の模様が消え、真っ黒または暗い赤みを帯びた目を持ちます。この遺伝は劣性で、同じ遺伝子を両親から受け継いだ個体に現れます。体色は他のモルフと組み合わされることで多様に変化し、目の全体が黒くなる「フルアイ」や、半分だけが黒い「ハーフアイ」などのバリエーションも楽しめます。
マックスノーゴースト(Mack Snow Ghost)
「マックスノー」の白黒コントラストに、淡くくすんだ色合いをもたらす特徴が加わったモルフです。幼体は白地に黒いバンド模様があり、成長すると柔らかいグレーや淡いベージュに変化し、落ち着いた上品な雰囲気になります。派手さは控えめですが独特の渋い魅力があり、色の変化を楽しめるのも特徴です。
モルフに性格や飼いやすさに違いはある?

「モルフによって性格が違うのでは?」とよく聞かれますが、基本的にはモルフの違いで性格が決まるわけではありません。
レオパの性格は個体差が大きく、飼育環境や人に慣れた経験によって変わることが多いです。
ただし、一部のモルフでは遺伝的な特徴による行動の傾向があります。
たとえば「エニグマ」系のモルフでは、平衡感覚に関する遺伝的な問題が出る個体がいるため、同じ行動を繰り返す(エニグマシンドローム)ことがあります。
初心者はまず健康で丈夫なモルフを選ぶことが、安心して飼い始めるコツです。
モルフ選びに注意したい健康面と遺伝的リスク

モルフの中には、美しさの代わりに遺伝性疾患のリスクを持つものがあります。
例として、前述のエニグマシンドロームや、レモンフロストに見られる腫瘍の発生率の高さなどです。
購入時には、信頼できるブリーダーやショップから健康な個体を選び、可能であれば親個体の情報を聞いておくと安心です。
見た目だけでなく、長く元気に暮らせることを最優先に選ぶのが、飼い主とレオパにとって一番の幸せなのです。
まとめ|レオパとの出会いを楽しもう!
レオパードゲッコーのモルフは、見た目の美しさだけでなく、遺伝の奥深さや成長による色の変化も楽しませてくれます。
初心者のうちは、丈夫で入手しやすいモルフから始めるのがおすすめですが、飼育に慣れてくると次第に珍しいモルフにも目が行くでしょう。
どのモルフにもそれぞれの魅力があり、性格は育て方や接し方で変わります。
大切なのは、その子の個性を理解し、大事に育てていくことです。
ぜひ、自分の好みに合ったモルフとの素敵な出会いを楽しんでください───。

最後までお読みいただきましてありがとうございました〜🎵
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